雇用保険と失業保険
「雇用保険と失業保険って一緒?」と疑問に思う人は多いかと思います。
今回は雇用保険について簡単にわかりやすく解説していきます。
そもそも雇用保険とは
失業時に受け取れる失業保険の給付、企業に勤めている時に受けられる育児休業給付、介護休業給付、教育訓練給付などの被保険者の生活を守るためにある保険です。
主に国の厚生労働省が管理をして、それに伴って手続きや給付は各地の管轄のハローワークが行っています。
雇用保険の適用範囲
会社に在籍している正社員、一般社員、満65歳未満の人が加入できます。
原則として労働時間が週20時間以上で雇用の見込みが31日以上ある者で、個人事業主や法人の役員は対象外です。
自己都合で企業を退職した場合、労働期間が1年以上で3ヶ月分の失業基本手当が受け取れ、10年以上で4ヶ月分、20年以上で5ヶ月分となっています。
派遣社員やパート・アルバイトの場合
2種類の加入条件があります。
・一週間の労働時間が20時間を超えること。
・31日以上会社で働く見込みのある労働者であることの2種類です。
日雇い労働者の場合
一定の期間同じ企業で仕事をすることが少ないので自分で雇用保険の申請を出す必要があります。
31日以上働く見込みがあれば上記の派遣社員やパート・アルバイトと同じ条件なので雇用保険に加入できますが、31日未満であれば日雇い労働者として雇用保険に加入できます。
雇用保険に加入する条件は、雇用保険の適用になっている事業所で働いていることです。
その条件を満たしていれば、管轄のハローワークに行き、手続きをすれば日雇労働被保険者手帳がもらえます。
また、日雇い労働者が失業時に受け取れるものは基本給付とは違い、日雇労働求職者給付金になります。
短期的な仕事をする労働者の場合
季節的要因や仕事柄1年通して雇用されない場合を対象にした加入条件です。農業や冬にしか行わないスキー場などが当てはまります。
加入条件としては4ヶ月以上雇用される、1週間の労働時間が30時間を超えることです。
こちらも受け取れる給付金は条件を満たしていれば、特例一時金が受け取れます。
65歳以上の高齢被保険者の場合
65歳以上の人も雇用保険の被保険者に継続してなることが可能です。以前は65歳になるまでに雇用保険に加入していないと65歳を過ぎてから加入することはできませんでした。
しかし、平成29年1月1日から雇用保険の適用条件が拡大され65歳以上からでも雇用保険に加入することができるようになりました。
つまり、65歳以上から求職し企業に採用された場合でも雇用保険に加入することができます。
加入条件は1週間の労働時間が20時間を超えること、31日以上雇用される見込みがあることが条件になります。
雇用保険の種類
・基本手当
失業手当や失業保険と言われている保険
・育児休業給付
出産後の育児休業中に受け取れる保険
・介護休業給付
介護を必要としている人が家族にいて介護休業を取得した時に受け取れる保険
従業員が資格や教育の訓練を受けられるための保険
・高年齢雇用継続基本給付
65歳以上の高齢者が労働し続けられるように援助をしてくれる保険
失業保険とは正式には雇用保険の基本手当のことを指します。
主に使われることが多いのがこの基本手当です。基本手当(失業保険)も辞める前に働いていた年数や辞め方によって受け取れる基本手当が変わってきます。
まとめ
ちなみに、給料明細では雇用保険という名称が使われています。
しかし日常会話では「会社を辞めると失業保険がもらえる」というように使います。
その理由としては、昭和22年に失業保険法が施行されましたが、ことあるごとに失業保険法は法改正を繰り返してきました。経済の構造が変わっていく中で制度の見直しの必要性が高まってきました。
そこで、昭和50年に失業保険法を発展させ、時代の変化に合わせた雇用保険法が誕生しました。現在の雇用保険法は元々、失業保険法だったのです。
これが、正しくは雇用保険なのに失業保険という名称がよく使われる理由と考えられます。
現在の雇用保険制度ですが度重なる法改正にもかかわらず、十分に制度が行き届いておらず、支給額も年金と同様に削減傾向にあります。
しかし、それでも退職して給料がなくなれば不安定な生活を送らなければならないので、雇用保険が支給されると大きな助けとなりますね。
何事も備えあれば患いなしです。
ご質問等ございましたらお気軽にどうぞ(^^♪
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