確定拠出年金について
年金に対する問題はなにかと話題に上がりますが確定拠出年金という制度はしっかりと理解されていますか?
今回は確定拠出年金についてのメリット・デメリット含めて簡単にわかりやすく解説していきます。
そもそも確定拠出年金とは
確定拠出年金法を根拠とする私的年金で厚生労働省が推奨している制度です。
公的年金(国民年金・厚生年金)や企業年金などの従来の年金制度は確定給付年金と呼ばれ、国や企業が将来の年金の額を約束しています。
確定拠出年金では、加入者自身が資産を運用するため、将来支給される年金額はそれぞれの運用次第で違ってきます。
建物での例えの2階建て、3階建ての部分となります。
確定拠出年金には企業型と個人型があります。
「企業型確定拠出年金( 企業DCいわゆる401k)」
・加入対象者
国民年金の第2号被保険者(会社員)で、労使合意に基づき確定拠出年金制度を実施している企業の従業員
・掛金の拠出
会社からの拠出に加え、規約に定めれば個人からの拠出も可能
・規約
労使合意に基づき確定拠出年金規約を制定加入資格について差別的取扱い禁止(一定条件の下、特定の者を加入者とすることも可)
・加入対象者
①自営業、フリーランス、学生など含める20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者で、国民年金の保険料を納めている人
➁会社員や公務員など60歳未満の厚生年金の被保険者(国民年金の第2号被保険者)
③専業主婦、パートタイムなど20歳以上60歳未満で厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている方(国民年金の第3号被保険者)
・掛金の拠出
個人からの拠出のみ
・規約
国民年金基金連合会が規約を制定、本人の申請による任意加入
企業型確定拠出年金について
1978年に米国で導入された確定拠出年金制度で、米国の税法・内国歳入法401条(k)項に基づき導入されたことに由来します。
日本の企業型確定拠出年金制度はアメリカの401kを見本として作ったため、401kと呼ばれることが多いのです。
企業や加入者が毎月一定額の掛金を拠出して自分で運用します。
イメージとしては、支払われた掛金が自分の口座に積立てられ、運用して得られた給付金が将来的には自分に戻ってきます。そのため、運用の結果次第で将来受取れる年金の額は違ってきます。
メリット・デメリット
「メリット①積み立てる掛金が非課税」
事業主掛金(会社のお金)として拠出された掛金は、個人の所得とみなされません(選択制の場合も同様)
「メリット②運用益に対して非課税」
運用益が出た場合、大きな複利効果を期待できます。通常、運用の結果得た利益には20%(所得税15%、住民税5%)課税されます。
しかし、確定拠出年金ではこの運用益に課税がされません。
つまり、一般の投資であれば税金として負担すべき金額をそのまま次の運用に活かせることになり、効率的な運用を実現できます。
「デメリット①資産運用のリスクを負う」
確定拠出年金では、掛金の拠出額は確定していますが、将来の給付額については運用結果に左右されるため確定していません。
そのため運用がうまくいかなかった場合、資産が減ってしまうというリスクがあります。
しかし、これは逆に言えば運用がうまくいった場合は、資産が増えることを意味します。
将来に備えるための資金運用としては、非課税で積み立てながら運用のできる確定拠出年金は、通常の資産運用に比べると元本や運用益に税金が掛からない分、運用上の余裕が大きいものと言えます。
「デメリット②60歳まで引き出すことができない」
確定拠出年金は、一定の要件を満たさない限り脱退や、途中で資産を取り崩すことはできません。
引き出しができるのは60歳以降なので、ご自身で掛金積立か、現金受取かの金額を選択できる企業DC等へ加入している人は、 短期的に必要な資金は取っておき、無理のない範囲で積立ていく必要があります。
「デメリット③自分で運営管理機関を選ぶことができない」
401kの運営管理機関を選択するのは事業主(会社)です。そのため提示された運用商品に購入したい運用商品がないということが起こりえます。
個人型確定拠出年金について
個人で老後資金を貯めるための制度です。国民年金や厚生年金と違い、希望者が自ら申し込みをして任意で加入します。
加入後は、定期預金・保険・投資信託の中から好きなものを選び、毎月一定の掛け金(5000円~)を積立て、60歳以降に積み上げた資産を受け取る、という流れです。
メリット・デメリット
「メリット①積み立てた時に税金が安くなる」
iDeCoは毎月一定の掛け金を積み立てますが、積み立てた金額すべてを所得控除の対象にすることができます。
毎月1万円を積み立てると、年間で12万円が所得控除されるとなるわけですが、税金が12万円安くなるわけではありません。
私たちが納める所得税・住民税は、年収から各種控除額を引いた課税所得によって決まります。同じ年収の人でも、各種控除額が多ければ多いほど課税所得が低くなり、
所得税・住民税が安くなります。
iDeCoで積み立てた金額は、この控除額として使えるわけですので結果的には所得税・住民税が安くなります。
「掛け金の上限」
「メリット②運用で利益が非課税」
運用益が出た場合、大きな複利効果を期待できます。
通常、運用の結果得た利益には20%(所得税15%、住民税5%)課税されます。しかし、
iDeCoは401kと同様に、この運用益に課税がされません。
「デメリット①60歳まで引き出せない」
積み立てたお金は、401kと同様に60歳になるまで引き出すことができません。(※積み立てを停止することは可能)。
「デメリット②口座の開設・維持に手数料がかかる」
iDeCoを始めるには、銀行や証券会社等でiDeCo専用口座を開設する必要がありますが、
専用口座の開設・維持には手数料がかかります。
開設手数料はどこも2829円で横並びですが、維持手数料は金融機関によって差があります。
一番安いところで月171円、高いところで月629円、その差458円となります。
専用口座を開設する際は、維持手数料の安い金融機関を選ぶことをおすすめします。
「口座維持手数料が最安171円の金融機関」
※誰でも無条件で171円の金融機関のみを掲載
「デメリット③お金を受け取るタイミングで税金がかかる」
iDeCo口座で積み上げた資産は、60歳以降に一括もしくは分割で受け取ります。その際、どちらの受け取り方でも受け取り額に応じた所得税・住民税を支払う必要があります。
メリット①で積み立てた時に課税対象から外した分、受け取るこのタイミングで課税される仕組みになっています。
しかし、一括受け取りの場合は退職所得控除、分割受け取りの場合は公的年金等控除の対象となり、税金の負担が軽くなるようになっています。
まとめ
時間は有限です。
「若いからまだ関係ない」ではなく、老後資金の問題や年金については正しく知り、行動することが大切です。
ご質問等ございましたらお気軽にどうぞ(^^♪
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